2006.06.22
欧州食品安全機関が牛骨ゼラチンのBSE安全性を再度確認
欧州食品安全機関(EFSA)の生物学的ハザード委員会は、2006年1月18日に、牛骨由来ゼラチンのBSE(牛海綿状脳症)に関する定量的リスクアセスメント(QRA)の見解書をまとめ、英国での食品のBSE曝露リスクに比べると、ゼラチンのBSEリスクが非常に小さいことを示した。この見解書は、2003年3月、EU科学運営委員会(SSC)が採択した牛由来ゼラチンのTSE安全性に関する意見書を支持するもので、ゼラチンの安全性が再確認された。

QRAは、ゼラチン製造工程で見込めるBSE不活化能、人のゼラチン摂取量を考慮し、ゼラチンの原料原産国のBSEステイタス、特定危険部位の管理について、複数のシナリオにもとづいて試算された。その結果、BSE高リスク国由来で、かつ頭蓋骨とせき柱(脳、せき髄を含む)が混在する牛骨から製造されたゼラチンによるワーストケースのシナリオでも、その曝露推定量は、英国での食事による曝露に関する過去の事例と比べると低く、より現実的なシナリオでは、曝露量は非常に小さくなると見なしている。

また、SSCの見解では、QRAの結果が得られるまでは月齢12ヶ月を超える牛の頭蓋骨とせき柱をゼラチン原料から除去するべきであると勧告していたが、今回の見解ではこのような経過処置の継続は無用と結論している。

従来、牛皮ゼラチンの安全性は認められていたが、今回のQRAの結論では、原料骨の部位に対する条件づけがなくても、牛骨ゼラチンのBSEリスクが低いことが示された。骨の部位に関わらず安全であると認められたことで、牛由来ゼラチンは総じて安全と言える。

※以上、和訳まとめ
ゼラチン工業組合による和訳の全文はこちら 見る

原文( Opinion of the Scientific Panel on Biological Hazards of the European Food Safety Authority on the "Quantitative assessment of the human BSE risk posed by gelatine with respect to residual BSE risk ) は、 http://www.efsa.eu.int/science/biohaz/biohaz_opinions/1333_en.html に掲載されている。