GMJ 日本ゼラチン工業組合


平成17年11月18日
「食品中の残留農薬規制変更(ポジティブリスト制移行)」の対応について
残留農薬に関し、いわゆるポジティブリスト制度(農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する制度)が、平成18年5月に導入されることとなりました。この規制変更の主な趣旨は、従来輸入されなかった地域からの食品で従前の日本の規制では取り締まる事ができない農薬残留の事例が発生し、それに対処するものです。
日本ゼラチン工業組合(GMJ)加盟各社が製造販売するゼラチン、コラーゲンで農薬等の残留が問題になった例は過去になく、農薬等のリスクに対する懸念は極めて低い製品であります。この度の規制変更によってもリスクが低い事に変わりませんが、その対応についてあらためて見直しを致しました。
日本ゼラチン工業組合加盟各社は、以下のような対処によって、残留農薬に関する新たな規制に適合し、安心してお使いいただけるゼラチン、コラーゲン製品を出荷する事に努めてまいります。

1.原料について
ゼラチン及びコラーゲンの原料には、食肉用にと畜された牛豚が用いられる他、最近では魚、家禽類も使用されますが、いずれも食用動物から得られる部位を原料としております。これらの原料の安全性は、いずれも食肉の安全性保証に根ざし、当該地域の食肉産業に関連する法規制に準じて、適切に管理・維持されております。原料サプライヤーとの緊密な連携のもと安全な原料の確保に努めております。いずれの原料にもその適切性を明らかにする書類があり、全ての製品はそれらの原料証明書へのトレースが可能です。
2.製品の残留基準について
ゼラチン及びコラーゲンは『いわゆるポジティブリスト制度』の対象食品であります。この度の規制変更で新たに多くの農薬等がリストに加わりましたが、適切な食肉生産から得た原料で製造するゼラチン、コラーゲンにそれらの農薬等が残留する事は基本的には無いと考えます。万一残留が認められたとしても、それは原料中の基準内残留農薬に起因するものと考えられます。
原料を加工して一般に乾燥品として流通するゼラチン、コラーゲン製品に適用される残留基準についての解釈は、「一律基準値0.01ppm」が全農薬に適用されるのではなく、規制最終案 2.暫定基準案の設定 (1)-E 「加工食品の取扱い」が適用される事を確認しております。即ち、原料に設定された残留基準をもとに、抽出・濃縮・乾燥等の製造工程による加工率を考慮して、製品の残留基準が解釈され適用されます。
原料の残留基準は「暫定基準表」に定められ、牛や豚の骨ないし皮は「牛の食用部分」「豚の食用部分」に相当する事が厚生労働省により確認されています※1※2
また、水分を低く加工された製品には濃縮率に応じ原料より高濃度の基準が適用されるという解釈が厚生労働省から示されています※3
ゼラチン、コラーゲンに適切に利用できる加工率のモデルについては、当組合で規制施行日を目途に検討しています。
3.測定、監視プログラム
原料の安全を確実にして製造された製品に対し、全ての農薬等をその都度測定で直接検査する事は現実的ではありません※4
ゼラチン、コラーゲン製品の測定、検査につきましては、代表サンプルに対して適切な対象農薬等を選定し適切な頻度で測定するプログラムを、規制施行日を目途に検討しております。また、公定法による測定のためのゼラチン、コラーゲン試料の適切な前処理についても検討が必要と考え、研究しております。
各社が実情に応じて設定する監視プログラムによって、適切に自社製品及び原料を検査・監視するように、徹底する事としております。

当組合は加盟各社が常に適切に対処できるよう、最新の情報を得て調査・研究を行い、また当局と密接に連絡を取りつつ対応しております。今後も、安心してお使いいただける製品を、お客様にご提供できるよう、常に努めます。本件に関する新たな情報は、適宜皆様にお知らせ致します。

ゼラチン、コラーゲンをこれまで同様、永くご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。



※1 『基本的に、ゼラチンの原料である牛や豚の骨や皮は、「牛の食用部分」「豚の食用部分」に含まれる。皮に脂肪等が含まれている場合については脂肪等の残留基準が適用される。』というパブリック・コメントの回答を得ております。魚、家禽等の原料も設定されている残留基準が適用されると考えます。

※2 現時点で原材料に設定される残留基準について、外国の農薬の使用実態・残留基準の情報公開及び必要な規制見直し、品目別国別に適切な対象農薬等の絞込みが必要な事を、パブリック・コメントで次のように確認しており、今後合理的に対処されていくものと考えております。『主な輸出国の残留基準などについては、各国規制当局HPの紹介などを通じて情報提供を行う事としています。暫定基準については、マーケットバスケット調査結果などに基づき優先順位を付して見直す事としているほか資料等を添えて基準等の見直しについて要請があれば、残留基準の変更について検討する事としています。(後略)』

※3 製品に対しては原料に設定された基準をもとに濃縮率を考慮した基準値の設定を適用するよう要望しましたが、『(前略)原材料である骨、皮等の基準適合性に従い判断を行います。この際は、濃縮率等を考慮し、ゼラチンから骨、皮に濃度を換算した上で判断する事になります』と、回答されています。

※4 製品に対する農薬分析や証明等の考え方を、問合せましたところ、『ポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を食品事業者等に義務付けるものではありません。分析は残留の可能性などに基づき判断されるものと考えます』とパブリック・コメントで回答されております。



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